コンサルタントというと年収が高いというイメージをもっている人も多いのではないでしょうか?しかし、コンサルタントの仕事に興味があるものの、実際の年収はどれくらいなのか、どうしたらなれるのか知っている人は多くありません。また、コンサルタントといっても、ITコンサルタントや建設コンサルタントなど種類もさまざまです。ここでは、コンサルタントの仕事内容や平均年収、どのような資格やスキルが求められるのかもあわせて解説していきます。興味のある方は参考にしてみてください。
【種類別】コンサルタントの平均年収一覧
コンサルタントの平均年収は、種類や年代によって異なってきます。以下で見てみましょう。
職種別 | 20代 平均年収 | 30代 平均年収 | 40代 平均年収 |
---|---|---|---|
外資系コンサルタント | 600万円~2,000万円 | 2,000万円~5,000万円 | 5,000万円~2億円 |
経営コンサルタント | 550万円~650万円 | 600万円~750万円 | 700万円~900万円 |
ITコンサルタント | 450万円~550万円 | 600万円~750万円 | 800万円~900万円 |
建設コンサルタント | 350万円~450万円 | 400万円~550万円 | 500万円~700万円 |
※参考
【外資系コンサル】業界研究「20代の平均年収は1,000万円あるかないか?」ビズリーチ・キャンパス 「2017年7月時点」
経営コンサルタントの年収は701万円が平均でした!経営コンサルタントの給料・収入や資格、業界情報を解説! 平均年収.jp
itコンサルタントの年収給料・20~65歳の年収推移・役職別・独立したときの年収 平均年収.jp
【企業別】経営コンサルタントの平均年収ランキング
経営コンサルタントは、あらゆるコンサルタントのなかでもイメージしやすのではないでしょうか。ここでは、経営コンサルタントの企業別平均年収を、ランキング形式で表にまとめました。
ランキング | 企業 | 平均年収 | 特徴 |
---|---|---|---|
1位 | M&Aキャピタルパートナーズ | 1,947万円 | 中小企業を対象としたM&A仲介業者 |
2位 | GCAサヴィアン | 1,486万円 | 資金調達やM&Aなどを手掛ける |
3位 | 日本M&Aセンター | 1,385万円 | M&A支援に特化した東証一部企業 |
4位 | ドリームインキュベータ | 1,129万円 | 大手企業向けコンサルタントサービスを展開 |
5位 | シグマクシス | 991万円 | 三菱商事系列のコンサルタント会社 |
6位 | 三菱総合研究所 | 965万円 | ITを駆使したシンクタンク |
7位 | プロネクサス | 686万円 | 新規上場企業向け ディスクロージャー業務を展開 |
8位 | 船井総研HD | 683万円 | 大阪に拠点をもつ 大手経営コンサルタント会社 |
9位 | トライステージ | 682万円 | ダイレクトマーケティング事業、 コールセンター斡旋事業を展開 |
10位 | エフアンドエム | 679万円 | 中小企業向け情報コンサルタント |
※参考
経営コンサルタント業界の年収・給料、売上高ランキング-年収ラボ 「2014年7月〜2015年6月間の決算時データ」
コンサルタントの仕事内容
コンサルタント会社の仕事内容について外資・経営・IT・建設コンサルタントをとりあげて詳しく紹介していきます。
外資系コンサルタント
外資系コンサルタントは、「経営戦略系」「IT系」「総合系」「専門系」という4つのタイプに大別できます。
経営戦略系
企業の経営戦略をサポートするコンサルティング業務です。事業計画・事業再生・M&A戦略など、企業課題を解決するブレーンとして活動します。高度な論理的思考力が必要です。
IT系
企業の運営状況を分析し、顧客がもとめる機能を提供する、IT専門のコンサルティング業務です。企業戦略に最適なITシステムを構築したり、業務を効率化するツールを提供したり、IT戦略全般のサポート役として活動します。
総合系
経営戦略や人事・財務戦略、IT分野に至るまで、幅広く手がけるのが総合系コンサルティングです。さまざまな分野に精通する人材が必要なため社員数が数百名〜数千名など、規模の大きい企業が多いです。
専門系
ジャンルごとのスペシャリストが提供するコンサルティング業務です。特定の分野のノウハウに精通し、希少性の高い情報を提供します。
経営コンサルタント
企業の経営状況を把握して、実践的な戦略策定をサポートする職業です。特定の資格は必要なく、平均年収も高いため、転職市場の人気ランキングでも常に上位に位置しています。
経営コンサルタントは、最適な企業活動戦略を提案するために、高度な論理的思考力が求められます。企業向けに経営セミナーを開くこともあるので、知識・経験にくわえて、インタラクティブコミュニケーション(対話を通じて共に学びあえる)も必要です。
ITコンサルタント
ITコンサルタントは、ITを活用した戦略を提供し、企業業績を向上させる職業です。クライアントの経営状況を改善するために、他分野のスペシャリストと協力しあい、企業価値を最大化するようなシステムを構築します。
現代の企業では、労働力不足をおぎなうために、ITツールが積極的に活用されています。ITコンサルタントは、企業のIT戦略を成功させるためのシステム開発や導入サポートまで、多岐にわたるコンサルティングを行います。
建設コンサルタント
建設コンサルタントは、社会インフラ設備のニーズを分析して、実行可能性を十分に考慮した建設戦略を提供します。重機を用いた施行業務ではなく、人的リソースの配置・分析業務など、ブレーンとしての活動が主です。
国土・都市整備・防災施設など、国家運営に関われることから、公的業務をサポートすることも多くなりますが、土木技術の提供・教育研修講師など、事業者に対しても実践的な建設戦略を提供しているのが特徴です。
コンサルタントになるには
コンサルタントになるには、どうすればよいのでしょうか?以下で解説していきます。
外資系コンサルタント
必要スキル
外資系コンサルタントは、変化の激しい環境で膨大な業務量をこなさなくてはならないため、論理的に常に考え続けるタフさと強靭な体力、高いコミュニケーション力などが必要です。特に、未経験で転職する人は、高度な自己管理能力が求められます。
また、外資系コンサルタント業界は、一般的な事業会社の4倍のスピードで時間が流れるといわれるほど、流動性が激しい世界です。短時間で色々な業務を経験できるため、高い集中力を求められます。
必要、またはあると有利な資格
外資系コンサルタントは、一定の英語力が必要です。特に、グローバルな視点をもつコンサルタント会社に転職したい場合は、英語スキルはもっておいたほうがよいでしょう。
ビジネスや日常会話のコミュニケーションスキルがわかる「TOEIC」がおすすめです。
経営コンサルタント
必要スキル
経営コンサルタントは、企業の経営状況を分析し、問題点を把握する能力が求められます。そのため、ある程度のビジネス経験は必要不可欠です。
また、得意なジャンルをもっておくことで、コンサルタントとして業界内で一定の地位を得ることができます。
特に、戦略系ファームで働く場合、基本的に案件ごとにコンサルト会社とクライアント企業のメンバーを合わせたチームをつくり、目標達成に向け業務に取り組みます。各案件に精通するコンサルタントがチームメンバーとして選ばれることが多いため、自身の専門領域をもっておくことは大変重要となります。
必要、またはあると有利な資格
経営コンサルタントには、中小企業診断士やフィナンシャルプランナーなどの、経営戦略系の資格がおすすめです。
中小企業診断士は、経済産業省が発行する国家資格です。企業の経営状況の把握する方法など、コンサルタント業務に役立つ知識が豊富です。
フィナンシャルプランナーは、個人向けに資産管理戦略をアドバイスする民間資格です。勉強内容が税金・不動産・相続など、広範囲に及ぶことから、幅広い知識を得ることができます。
ITコンサルタント
必要スキル
ITコンサルタントは、システム開発から、人員配置まで行えるような、IT系の専門知識が必要です。実践的なスキルを生かして、経営状況を改善するためのITシステムを構築していきます。
また、問題点を分析し改善策を見つけるために、顧客やチーム内で頻繁に意見交換を行うので、意図を的確に伝えるプレゼン能力も必要です。
必要、またはあると有利な資格
ITコンサルタントに必須資格はありませんが、資格を取得することで、専門知識があることを証明できます。たとえば、ITコーディネーターは、商工三団体や中小企業診断協会など、多数の企業団体が協賛していて、経済産業省が推進する資格です。企業内活用事例も多いことから、就職・転職市場で役に立つ資格として知られています。
建設コンサルタント
必要スキル
建設コンサルタントには、社会インフラを設計するために、土木系の専門知識は必要不可欠です。また、図面に設計を表現するためには、CADなどの建築系のソフトウェアスキルも役にたつでしょう
必要、またはあると有利な資格
建設コンサルタントの業務には、専門的な知識を応用することができる、技術士という国家資格が役に立ちます。受験するには、「7年以上の関連業務経験」か「4年以上の技術士補経験」が必要です。
また、国家資格だけではなく民間資格も有効です。たとえば、建築CAD検定は、CAD技能を証明する資格として知られています。受験資格もないので、学生でも社会人でも取得可能です。
まとめ
コンサルタントは、専門的な知識や体力が必要な過酷な仕事です。その分、平均年収が1千万円をこえることも珍しくなく、やりがいも多い職業です。コンサルタントいっても、外資・IT・建設・経営など、業種によって求められる資質は違います。
特に、外資系コンサルタントは、平均年収がほかよりも高めで、自己管理能力が求められる仕事です。コンサルタント業界は、変化が激しく気力・体力がいる職場ですが、短期間で色々な業務を経験できるので、キャリアアップに最適です。